【読書】ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術

【読書】ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術
目次

はじめに

「ブリハッド・アーラニヤカ・ウパニシャッド」を読みたくて、「ウパニシャッド―翻訳および解説」の商品紹介ページで本書を知り、中古しかなかったけど、安かったので購入しました。

この本はタイトルの通り、著者が読んだ様々な本の紹介と、著者が普段やっている読書術、速読術について書かれています。
ただし、読書術と速読術について述べているのは70ページくらいしかなく、残りの300ページはすべて本の紹介となります。
そのため、読書術や速読術目当てに買った場合は少し物足りなくなるかもしれないけど、個人的には十分な内容でした。

また、本の紹介と言っても、ベストセラーを敢えて避けているとのことなので、結構マニアックな本もたくさんあります。
そのため、自分に合わない本のほうが多いこともあるかもしれません。

本

読書術・速読術について

速読に適している本、適してない本

まず速読術と言っても、速読に適した本とそうでない本があります。

速読に適してない本は読むこと自体が楽しい本のことです。
長い時間をかけて読むとそれだけ楽しい時間が続くので、速読はしないほうが良いとのことです。

速読に適している本は、読むこと自体を楽しむ本ではなく、情報を得ることを目的とする参考資料のような本のことです。

速読の方法

速読の基本は熱中することです。集中すると読むスピードが自然と早くなります。
また、最初から最後まで読むのではなく、本の全体の構造がどのようになっているかを把握し、流れをつかもうとのことです。

具体的な方法として、段落の最初の文章だけを読んで、それを最後まで通して読む時間がある時に段落の最後の文章も合わせて読んだほうが良い。そしたら二周目をどうするかを考えて、気になった箇所があればそこだけもう一度読んでもいいし、もう読まなくてもいいかなと思ったら、それでもいい。
二周目を読む場合はもう少し細かく読んでもいいし、軽めに読んでもいい。そこに決まったルールは存在しない。
大切なのは、このような粗い読み方で何回も繰り返して読んだほうが理解しやすくなります。
つまり、最初からじっくり読むのではなく、粗くてもいいから全体を掴んでから、少しずつ細かいところまで読んでいくことです。

本をたくさん読みたいなら、読む必要がない本と判断した場合、もう断固として読まないようにするとのことです。

また、本を読んでいる時に、脳が自然に大事な情報を拾い上げてくれるので、自然に目が止まる箇所は案外大事なことが書かれていることが多いとのことです。

読書術

本は必ずしも、最初から最後までじっくり読む必要はありません。また、絶対にしてはならない。
なぜなら、そんなことしたら出会うべき本に出会えないうちに一生が終わってしまう。
読む価値がない本までじっくり読むということは時間と脳の無駄使い以外の何ものでもない。

この考え方は以前読んでいた「読書について」にも同じことが書かれています。そこまで鋭くはありませんが、悪書を読まない点は共通しています。

この本の序章の最後に書かれた以下の言葉は私も以前から意識していたことであり、共感できました。

本に書いてあるからといって、何でもすぐに信用するな。自分で手にとって、自分で確かめるまで、人のいうことは信じるな。この本も含めて。

立花 隆 「ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術」p88

紹介されている本について

本書のメインは著者が読んだ約300冊の本についての紹介となります。
最初に著者が述べたとおり、ベストセラーを敢えて避けていますので、紹介されている本はほとんど初めて見るものばかりでした。ジャンルもさまざまで、こんな本もあるんだと思ったことも度々ありました。
それとこの本が販売されたのは2003年というのもあって、紹介されている本の中に絶版となって、手に入りにくいものも少なくありません

この本は結構ボリュームがあるので、最初に紹介された速読術の練習をするという意味も含めて速読しました。
残念ながら300冊のうち、興味がありそうな本は数冊しかありませんでした。
それぞれの本についての紹介はかなりコンパクトにまとめられている印象なので、時間があるときにゆっくり読んでみるのも良いかもしれません。

ここからは私が興味を持った本について載せていきます。

ウパニシャッド―翻訳および解説

値段もすごいが、中身はもっとすごい。久しぶりにいい本を読む醍醐味にひたることができた。

立花 隆 「ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術」p371

この本を買った理由です。著者がこの本をどのように紹介しているのが気になって買いました。満足しました。

イエスの失われた十七年

イエスがパレスチナに現れる前までの17年間についてはどこの書物にも書かれていなかったため、この本は、イエスはその17年間にどこにいて何をしていたのかを推測したものとなります。

この本によるとイエスは17年間インドにいて、さまざまなことを学び、イッサと呼ばれたらしい。そのあとヒマラヤ各地をめぐり、パレスチナに戻ったとのことです。

イエスの説教の中には仏教、インド教の教えと共通したものがたくさんあるとのことで、非常に興味深いです。

一万年の旅路

アメリカのイロコイ族の間で語り継がれてきた歴史を、一人の女性がまとめたものです。
数万年にも及ぶ歴史が含まれているとのことです。

この本にはこの一族が長い歴史の間で学んだ「知恵」が物語として構成されていて、一つ一つの教えには含蓄が含まれています。アメリカの憲法にも影響を与えていました。

字統

同書は、どの一ページを開いても、驚くほど広くて深い知識がこめられており、碩学とはこのような人をいうためにある言葉かと讃嘆せざるおえない。

立花 隆 「ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術」p351

漢字にはあまり興味はなかったのですが、これほどまでに絶賛する理由を少し知りたいと思いました。

白川静著作集〈第6巻〉神話と思想

『神話と思想』を読むと、真に中国文化を知るためには(儒教の聖典、老荘の書ですら真に読み解くためには)、神話の世界まで行かねばならないということがよくわかる。そしてまた、神話の世界が滅法面白いのである。

立花 隆 「ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術」p352

どういうことなのかちょっと気になっています。

詐欺とペテンの大百科

タイトルの通り、過去に実際に起った詐欺についてまとめたものとなります。
その中の一部は今でも通用しているとのことです。

Amazonの商品ページに例が載っていたのですが、よくここまで考えたんだなと感心しました。

ただしちょっと値段が高いので、手が出しにくい。

まとめ

「ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術」について紹介しました。

「ウパニシャッド―翻訳および解説」がどのように紹介されているかを気になって買ったのですが、速読術と気になった本がいくつか発見できたので、個人的には充分満足しました。

本書は本の紹介がメインですが、著者の感想も結構入っていて結構面白い。
例えば岩波書店の『キケロー選集』に索引が入ってないことに対して2回ほど徹底的に不満をぶちまけています。
また、本書の最後に「『「捨てる!」技術』を一刀両断する」という名前で『「捨てる!」技術』をこれでもかというほど反論しています。(目次にもこの箇所の文字が一番大きかった)

「捨てる技術」を使うなら、まっ先に捨ててしかるべき本だと思う。

立花 隆 「ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術」p431

これでもかという皮肉が込められていて、個人的に一番おもしろかった。

著者のレビューは興味が湧くように簡潔にまとめられているので、マニアックな本もかなり多いですが、気になる一冊は見つけられるかと思います。

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